システム活用術
IT活用のヒント
システム活用で初めにすること
ずばり、システムを活用する上で初めにすることは「システム導入の目的の明確化」です。とてもありふれた結論ですので、どんな内容なのかを期待されていた方には少しがっかりした内容ではないでしょうか?
しかしながら、いろいろなお客様とお話しているとどうも「システムは魔法の杖」というお考えをお持ちの方が結構たくさんいらっしゃいます。システムを導入すれば悩みがすべて解決するのだと・・・。しかしながら、世間ではシステム化プロジェクトの約7割は失敗プロジェクトだとも言われてもいます。
システム化の目的が明確でない場合は、システム化の目標・ゴールが定まらないため、期待した効果が上がらない場合には対策もままならず、右往左往することになります。そのため、システム導入によって現場を混乱させてしまい、さらに経営戦略にも大きなダメージを与えることになり兼ねません。
「ホームページがないからホームページを作ってくれ!」
確かにいまの情報化社会においてホームページはある意味必須の道具ですから、それを活用したいというお考えは十分に理解できます。しかし、このご要望を別の表現に例えますと、「ボールを打てる道具を作ってくれ!」とある意味似ていると思います。この場合、まず何のスポーツかを尋ねると思います。ゴルフ?テニス?野球?いろいろなスポーツが想像できます。
仮にそのスポーツが野球とした場合、ご依頼した方がどんなバッターなのかによって、作るバットも違ってきます。王貞治のようなホームランバッターが望むホームランを量産するためのバットなのか、イチローのようなヒットを量産するバッターが望むバットなのかで、完成するバットも違ってきます。仮に平均化されたバットでは両打者の特徴が活かされず、王貞治もイチローも平凡な打者に終わってしまうかもしれません。
しかしながら、この平均化されたバットは趣味で野球を楽しんでいる草野球チームで使う場合にはとても効果的なバットになります。同じバットでも専門性や立場・状況によっては不要になったり、必要であったりと様々な効果を発揮します。
これはホームページについても同様の事が言えます。誰にどんな内容がどのように伝えて何がしたいのか?新規顧客開拓なのか、既存顧客の囲い込みなのか、営業マンの支援ツールなのか?それともないとかっこがつかないから、とりあえず制作しておくのかでホームページに掛けるコストも期待する効果も異なってきます。
ホームページはデジタルの世界のものですが、訴えかける人はアナログの人間です。飲み屋さんの場合、お得意さんならば「毎度!」と気軽に声を掛けるのですが、初めての方には「いらっしゃいませ」と接客態度を変える事と同じようにホームページもターゲットを明確にし、それにあった情報発信を行う必要があります。