一方、Accessには受発注業務や顧客管理など様々な業務をシステム化するという使い方も存在します。しかしこの使い方は、Accessの機能をマスターすれば、すぐにこの使い方ができるようになるものではありません。
システムとしてAccessを使うとなれば、システム構築の概念が必要です。要件定義、テーブル設計、画面設計、プログラム設計などのシステム設計技術が必要になります。システム構築は業務をすべてシステムに定義しなれけばなりません。受発注システムを例にとると、月末に納品された商品に不良品が入っていて返品した場合、請求は行うのか行わないのかなど、通常ではあまり起こらない、イレギュラーな処理もすべて検討します。
人間ならば、そのときの状況に応じて、最適な方法を瞬時に選択することができるのですが、システムの場合は、最適な方法をあらかじめ検討し、その対応方法を組み込みます。業務フローを確定し、管理するデータ項目や必要な機能、そしてデータの流れなど数多くの検討事項を検討しなればなりません。
この数多くの検討事項の中から何を優先させ、そしてどのように設計するのかという作業はシステム会社の腕の見せどころです。上位のシステム会社になると、システム設計業務だけを自社で行い、プログラム開発などの下位と呼ばれる作業はパートナー企業に依頼する事も数多くあります。
Accessをツールとして使えば、データの抽出や集計など日常の業務の効率が良くなりますが、システムとしてAccessを使うとなると、システム設計という専門的な技術が必要です。Accessをシステムとして使おうと考えるならば、やはり専門的な知識・ノウハウを有しているシステム会社に依頼することが、結果として費用や効率がよくなると考えています。